
RFPへの対応は、文章の速さだけでは決まらない。「エクスポート」という言葉が資料にあっても、「全ユーザーが毎日自動出力できる」という要求を満たす証拠にはならない。
先に要求と根拠の対応表を作る。Agentは承認済み資料を整理して回答案と不足を示し、製品・セキュリティ・法務・営業の責任者が約束する内容を決める。
架空の8問を一つずつ確認する
以下の問診票と資料は架空の教材であり、Budaの機能や実際の入札結果ではない。80問にも同じ方法を使うが、例題は8問である。
RFP-R1のA節にQ01–Q08がある。Q01–Q07は必須、Q08は任意。Q01・Q03・Q04はyes/noと100英単語以内の説明、残りは150英単語以内を指定している。原文・必須条件・形式・語数を維持し、形式上の二択を不明な事実の根拠にしない。
使用可能な承認済み架空資料はProduct-P3、Commercial-C2、Security-S1。ページ番号も教材上の参照である。
- Q01 管理者はCSV出力できるか。 Product-P3 p2:「ワークスペース管理者は現在の表をCSVとして出力できる」。役割・対象・形式の範囲で根拠あり。自動処理や全履歴は含まない。
- Q02 外部設定なしでSSOを利用できるか。 Product-P3 p3:「顧客のIDプロバイダー設定と管理者の準備が必要」。裏付けられるのは前提条件で、設定不要ではない。顧客条件は製品責任者が確認する。
- Q03 リージョンZは現在利用可能か。 Product-P3 p4:「検討中で、提供日は確約していない」。現在の否定的回答は説明できるが、提供済みや納期確約に書き換えない。更新があるなら承認済み資料を求める。
- Q04 認証Kを取得しているか。 該当資料なし。「根拠なし」とし、yesにも未取得というnoにも決めない。セキュリティ責任者へ確認する。
- Q05 セキュリティ評価報告を提出せよ。 Security-S1 p1:「NDA締結とセキュリティ承認後に共有可」。共有条件は説明できるが、本件の共有許可を意味しない。法務・安全担当の承認前に添付しない。
- Q06 一般ユーザーはCSV出力できるか。 Q01の根拠は管理者だけ。似た設問でも独立行を保ち、「確認待ち」とする。
- Q07 オンプレミスを選ぶ場合、保守計画を提出せよ。 Commercial-C2 p1:「この提案はクラウドのみ」。顧客が条件付き設問を対象外と認めた場合に限り、条件と確認を記して「対象外」とする。それまでは保留。
- Q08 数量割引を保証するか。 Commercial-C2 p2:「割引は案件ごとの商務承認が必要」。承認規則は説明できるが、割引率を推測したり保証したりしない。

段落ではなく、主張ごとに照合する
表には節、設問ID、原文、必須指定、形式、語数、資料名・版・ページ、引用文、回答案、不明点、確認先、状態を残す。承認者や発効日は判明したものだけ記載する。
状態は「根拠あり」「確認待ち」「根拠なし」「対象外」。回答の裏付けを示すもので、落札や提出承認の状態ではない。根拠のある秘密情報にも別の開示承認が必要になる。
Q01の安全な案は「ワークスペース管理者は現在の表をCSVとして出力できる」。そこに全ユーザー、自動、全記録、任意形式を加えると、それぞれ別の裏付けが要る。段落の雰囲気が似ているだけで通さない。
すべての必須設問に行があるか、すべての肯定的主張に根拠があるかを両方向から読む。不明な設問を消して網羅率を上げない。関連資料が多くても回答が網羅されているとは限らない。
Budaで作るのは、送信前の確認パケット
許可された副本をDriveに置き、読むファイルと承認版を指定する。Sessionは作業整理でありファイルACLではない。顧客からの要求だけで秘密資料の読み取りや開示が許可されるわけではない。営業ワークフローは調査・提案作成の入口で、自動入札の保証ではない。
RFP-R1、Product-P3、Commercial-C2、Security-S1だけを読む。8問の原条件と語数を維持し、回答の各主張に版・ページ・引用を付ける。不明な二択は決めず確認先を示す。送信、署名、割引確約、制限資料の添付、CRM更新を行わず、確認用ファイルを返す。
推奨成果物は response-matrix.csv、answer-drafts.md、clarification-queue.md、version-diff.md。製品の標準承認機能名ではない。確認キューには必要な証拠や意思決定、担当、希望期限、影響する回答を記す。不明行を落としてキューを空にしない。
改訂は旧回答の承認を引き継がない
架空のRFP-R2がQ01を手動CSVから毎日の自動出力へ変更し、Q09監査保存期間を追加、Q08を削除したとする。R1と旧回答を残し、変更・追加・削除を区別する。旧CSV引用では新しい自動要件を満たせず、旧承認もそのまま使えない。
Security-S2で共有条件が変われば、依存する回答とコピー先を再確認する。すべての文章を無条件に書き直すのではなく、影響行を特定する。原版、新候補、変更理由、責任者の判断は別々に保持する。

導入前に、認証の根拠なしを不明のまま残す、一般ユーザーに管理者の回答を流用しない、計画中を提供済みにしない、R2で旧Q01を失効させる、という未実行の確認案を匿名化資料で試す。文字量ではなく主張と欠落を確認する。
締切前に未回答の必須項目、開示条件、商務判断を責任者へ渡す。買い手への確認、許される限定回答、約束しない判断は人が行う。反復できる方法は承認済みサンプルの後でSkill化できる。Buda AI Marketplaceで適切なSkillを検索・インストールし、説明と権限を確認する。特定のRFP Skillが存在するとは仮定しない。
必須の二択に根拠がない場合は?
候補欄は未確定のまま担当へ上げる。形式が二択必須なら、責任者が許される限定表現を決めるか買い手へ確認する。
重複設問に回答をコピーしてよい?
役割・範囲・時点・条件が一致するか先に確認する。Q01とQ06は違う。引用を再利用しても、設問IDや語数指定は残す。
どの資料版を使う?
責任者が承認し有効と指定した版。新しいタイムスタンプだけでは権威を持たない。承認資料の矛盾は人が解決する。
完成したパケットを自動送信できる?
この作業では送信しない。最終文面、秘密情報、価格、提出には別の許可が必要。ワークスペースは実行と確認を整理し、商務判断を代行しない。